筋線維組成

皆さんは、筋線維の種類に速筋線維遅筋線維があることはご存知でしょうか?
おそらくほとんどの人が聞いたことがあると思います。
それぞれ白筋と赤筋と呼ばれていて、速筋線維(Fast twitch)は白く、遅筋線維(slow twitch)は赤い色をしています。
 
速筋線維の特徴は、収縮速度が速く疲労耐性が低いです。
逆に遅筋線維は、収縮速度が遅く疲労耐性が高いです。
速筋線維は遅筋線維の2〜3倍の速度で収縮することが可能です。
 
お魚で例えてみましょう。
 
ヒラメは身が白く、普段は海底に身を潜めますが獲物が現れると一瞬で追いかけて捕食する瞬発系タイプの魚です。
マグロは身が赤く、起きている時も寝ている時も一日中ずっと泳ぎ続けているような持久系タイプの魚です。
 
        
 
しかし、実際に人の場合は、このような筋線維のタイプがランダムでモザイク状に存在します。
この筋線維タイプの比率を筋線維組成といいます。
 
また、速筋線維(FT線維)の中にも2種類のタイプがありFTa線維とFTb線維が存在します。
FTa線維はFTb線維と遅筋線維(ST線維)の中間的な役割を持ち、別名ピンク筋とも呼ばれています。
 
筋線維組成は人によって異なり、速筋が多い人や遅筋が多い人が存在します。
 
速筋線維が多い人は、短距離走やパワー系などの瞬発系のスポーツが有利で、
遅筋線維が多い人は、マラソンのような持久力が必要なスポーツで有利です。
 
        
 
 
速筋線維と遅筋線維の比率は、遺伝的に決まっており
筋力トレーニングによってもこの比率は変わらないことが確認されています。
(FTb線維は筋トレによって、より遅筋線維に近いFTa線維に移行してしまいます。トレーニングを中止すると再びFTb線維に戻りますが☺︎)
 
よって、筋のパワー発揮は筋線維組成に依存していて、遺伝によって異なります。
生まれた瞬間で比率は決まっていますので、変えようのない、いわゆる才能ってやつですね。
実際にどんだけ努力しても届かない領域があり、誰もが100mを9秒代で走ることはできないのです。
 
最終的にトップレベルになると、どうしても才能には勝てない壁がこのように存在します。
野球やサッカーなどの高いスキルが必要な競技では別ですが...
 
 
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