イメージトレーニングで筋力を増加させる

 

イメージトレーニングとは、実際に身体を動かさずに自分の理想とする動作を頭の中に描いて、正しい動作を学ぶ心理的なトレーニング方法である。

一般的にイメージトレーニングは、複合的な動作を用いる競技に対して有効的であることが考えられているが、ある研究では最大筋力の増加にも有効であることが報告されている。

 

この研究では、以下のように3つのグループに分け4週間(週5日のトレーニング)にわたる左手小指の外転力を鍛えるトレーニングを行った。

コントラクション群:筋を収縮させる(最大筋力発揮)

イメージング群:筋を収縮させずイメージトレーニングのみ

コントロール群:なにもしない

 

その結果、トレーニング前と比較して筋力がコントラクション群で29.75%、イメージング群は22%で両群ともに有意に増加したが、条件間で有意な差は認められなかった。一方、コントロール群では3.7%であったが有意な増加しなかった。

このようにイメージトレーニングだけでも筋力は増加されるようだ。

 

この現象が必ずしもトレーニング熟練者に対してのトレーニングに当てはまるかどうかはわからないが、日頃から常にベンチプレスやスクワットなどをイメージすることは挙上重量を増加させるためには意外に良いのかもしれない。

 

Strength increases from the motor program: comparison of training with maximal voluntary and imagined muscle contractions: G Yue, KJ Cole - Journal of neurophysiology, 1992