カフェイン摂取で筋力・筋パワーを増加させる

 

カフェインは、コーヒーやモンスターエナジー、レッドブルなどに入っている物質であり中枢神経を刺激して、覚醒を促すことで様々なスポーツのパフォーマンスにおいて、向上するといわれている。

  

もう少し詳しく言うと、「カフェインがアデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用を促進し、随意筋力や筋コーディネーション能力を改善させる」といわれている。それに加え、痛みの感覚を減退させることや脂肪酸化量が増えることで持久能力が改善されることもいわれている。

実際に、マラソンなどの有酸素性能力は、カフェインを摂取することによって向上することが多くの研究で証明されている。

一方で、筋力や筋パワーなどの無酸素性能力に関しての効果は、向上したりしなかったり、多くの議論を呼んでいる。なぜなら、実験は研究室の中で行われているものが多く、実戦による試合とはエピネフリン量(アドレナリン)に違いがあるからである。

 

果たしてカフェインは筋力・筋パワーなどの身体パフォーマンスを向上させるのか...

 

今回紹介させていただく論文は、2016年のカフェイン摂取によるパフォーマンスの影響について調査した最新の実験を紹介する。

 

被験者:14人のエリートブラジリアン柔術選手

サプリメント:カフェイン 3mg/kg(体重70kgの人で210mg)※モンスターエナジー1本あたり カフェイン160mg

カフェイン摂取 vs プラセボ群(偽物)

摂取60分後にパフォーマンステストを実施して比較する

 

結果

カフェイン摂取群の方が、

両手の握力が増加(50.9 ± 2.9 vs. 53.3 ± 3.1 kg p<.05)

反動ありのジャンプ高(CMJ)が増加(40.6 ± 2.6 vs. 41.7 ± 3.1 cm; p = .02) 

ベンチプレスの1RM増加(90.5 ± 7.7 vs. 93.3 ± 7.5kg; p=.02) 

強度別のベンチプレスパワー発揮能力増加 (750.5±154.7 vs. 826.9±163.7W; p<.01)  

などなど...

 

結論

・運動前にカフェイン(3mg/kg)を摂取することによって、動的筋力、静的筋力、パワー、筋持久力を増加させる。

・つまり、カフェインはフィジカルパフォーマンスを改善させるための効果的なエルゴジェニックエイドである可能性がある。

 

感想

筆者もカフェインの効果を実感して感じていますので、大会の時には必ず摂取します。覚醒度が必要な競技ですのでその手助けにもなるし、飲んだというプラセボ効果みたいなものも良いんだと思います。また、大会の時だけでなく練習前にも摂取することをオススメします。筆者的にメリットは大きく2つ。1つ目は、身体パフォーマンスを増加させることで毎回のトレーニングの質を確実に上げる。2つ目は、確実に集中力を高めること。ほとんどの人がトレーニングを行う時間帯が仕事や学校帰りの夕方〜夜だと思いますが、起きている時間が長いほど集中力が落ちてしまいます。しかし、カフェインを飲むことでその低下を食い止めることができます。デメリットは、睡眠前に飲むと睡眠の質が下がることと、利尿作用が起きることです。また、カフェインを常時摂取していると効きが悪くなることですね。

これらのメリット、デメリットを踏まえカフェインを摂取してみてはいかがでしょうか。(コーヒーを飲むでもokです)

 

FRANCISCO JAVIER DIAZ-LARA, JUAN DEL COSO, JOSE MANUEL GARCÍA, LUIS J. PORTILLO, FRANCISCO ARECES, & JAVIER ABIÁN-VICÉN :Caffeine improves muscular performance in elite Brazilian Jiu-jitsu athletes. European Journal of Sport Science,2016