肥大した筋肉は特性が変わるのか?

 

筋トレをすると使えない筋肉ができてしまうという風潮がある。筋トレをすると脱力が必要な動作がやや困難になったりすることもある。動きについてのデメリットはポピュラーであるが、筋の特性は肥大することで変わってしまうのだろうか?

春日らが行った動物実験では、ジャンプトレーニング(JT)群と持久性トレーニング(IST)群、コントロール(C)群にそれぞれ振り分けトレーニングを実施した。その結果、筋の肥大率はJT群>IST群>C群の順で有意な増加がみられた。

断面積あたりの最大発揮張力(N/cm2)や短縮速度、Ca2+感受性では、どの群も差がなかった。つまり、スポーツなどの活動によって肥大しても機能特性は変わらないことが明らかになった。

筋肉は太ければ太いほど筋力が強いという原理は、肥大した筋に対しても同じことがいえるようだ。

 

 

Norikatsu KASUGA, Minenori ISHIDO, Atsumu YUKI and Tomie NISHIZAWA  「Functional Properties of Hypertrophied Muscle Fiber.2012.Bulletin of Aichi Univ. of Education, 62 pp. 27 - 33, March, 2013