静的ストレッチングが筋力を低下させる!?

 

身体の柔軟性は、競技パフォーマンスにとって重要な要素であることはいうまでもない。

野球やテニス選手などの柔軟性のある肩関節は、その大きな可動域が球速に大きく貢献していることがいわれている。

また、転倒や衝突による予測不能な外力によっても柔軟性を高めることで怪我をある程度防ぐと現場では考えられている。

 

しかし、一般的に運動前に行う静的ストレッチングには、実は筋力発揮の面でデメリットがあるのだ。

ある研究では、静的ストレッチ後に最大筋力、動的筋力の測定を行ったところ、いずれにおいても低下を示したようだ。

これは、筋の伸縮状態を検知する筋紡錘がストレッチングによって伸ばされ、その機能が低下してしまうからである。筋紡錘は骨格筋の中にあり、筋の張力度合いに応じて筋力発揮を増強させる仕組みとなっている。

しかし、このような現象は10分、15分行う過度な静的ストレッチングによるものなので、そこまで気にしなくても良いと考えられる。

 

極度の柔軟性が必要でないスポーツを行う場合は、筋温を上げながら可動域を広げる動的ストレッチを行ってみてはいかがだろうか。動的ストレッチでは、筋力の低下はみられないという研究報告があるようだ。

写真出典:https://前田健太.blog.so-net.ne.jp