記事のアーカイブ

熟練トレーニーのディトレーニングの危険性について

    前回の記事「ディトレーニングでプラトーを打破する」では、定期的なトレーニングにディトレーニングを挟むことで徐々に停滞していく筋の肥大率、筋力の増加率を再び引き上げられることについて紹介した。    しかし、実施した実験の被験者は非鍛錬者であり、鍛錬者と比較してディトレーニングによる萎縮率が低い傾向にある。 我々は、たった1週間のディトレーニングでも、かなりの筋肉量が減ってしまう感覚に脅かされる。ましてや、前回の記事のように3週間のディトレーニングを入れる事は自殺的な行動といっても過言ではないだろう。  では実際に、日頃からトレーニング
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ディトレーニングでプラトーを打破する

   日々鍛錬に励む皆さんは、トレーニングの効果が停滞(プラトー)した時、その状況を打破するために、あえて一時的にディトレーニング(トレーニングを休む)を挟むという方法を聞いたことはないだろうか。  一般的に、ディトレーニングは鍛錬者に対して速筋線維の大きな萎縮をもたらし、同時に筋力も低下させることが明らかになっている。  果たして一時的にディトレーニングを挟むことは、トレーニングの効果を引き上げるために有効なのだろうか。  そこで、今回紹介させていただく論文は、継続的に行うトレーニングとディトレーニングを組み込んだトレーニングとで比較をし、
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エキセントリック収縮に神秘的なものはない

  エキセントリック収縮とは、筋が伸ばされながら力発揮する収縮様式を表す。 例えると、アームカール動作時にバーベルを下ろす局面のことである。 これまで、エキセントリック収縮は他の収縮様式(コンセントリック収縮、アイソメトリック収縮)よりも筋損傷が大きく、筋肥大の効果も大きいことが多くの先行研究から言われてきた。     同じ重量で同じだけの回数を行ったのにも関わらず、なぜエキセントリック収縮の方が肥大するのか? 何か神秘的な要素があり、それが影響しているのだろうか…   そこで今回紹介させて頂く論文は、異なる収縮様式(エキセントリック、アイソメトリック、コンセ
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トレーニング後のアルコール摂取が筋肥大を抑制する

酒を習慣的に飲むアスリートは多くいるだろう。 トレーニング後や大会後に打ち上げとして、酒を大量に飲む機会も多いはずだ。 アルコールは、社交の場として親交を深める潤滑油的な側面があるが、その反面、身体に害を及ぼす可能性が多くの研究で示唆されている。 先行研究では、アルコール量が1g / kgを超えた場合に総テストステロン濃度の抑制が見られたという報告もある。(1) ※ ...
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腹圧について

  高重量のスクワットやデッドリフトを行う時、腹圧を高めることによって腰椎の怪我を防止できることは周知の事実である。トレーニング熟練者は、腹圧の高め方を感覚的に習得しているが、果たして実際にどのようなメカニズムで腹圧が高まっているのであろうか。 横隔膜の下部にある腹部の内腔を腹腔と呼ぶ。この腹腔には液体成分が多く、わずかしか気体が存在しないため圧縮率が低く、横隔膜と体幹の深層筋が収縮すると腹腔内圧が上昇する仕組みとなっている。それによって、トレーニングで生じる椎間板への圧縮力を大幅に減少することができるというメカニズムだ。 参照画像:...
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静的ストレッチングが筋力を低下させる!?

  身体の柔軟性は、競技パフォーマンスにとって重要な要素であることはいうまでもない。 野球やテニス選手などの柔軟性のある肩関節は、その大きな可動域が球速に大きく貢献していることがいわれている。 また、転倒や衝突による予測不能な外力によっても柔軟性を高めることで怪我をある程度防ぐと現場では考えられている。   しかし、一般的に運動前に行う静的ストレッチングには、実は筋力発揮の面でデメリットがあるのだ。 ある研究では、静的ストレッチ後に最大筋力、動的筋力の測定を行ったところ、いずれにおいても低下を示したようだ。 これは、筋の伸縮状態を検知する筋紡錘がストレッチングによって伸ば
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イメージトレーニングで筋力を増加させる

  イメージトレーニングとは、実際に身体を動かさずに自分の理想とする動作を頭の中に描いて、正しい動作を学ぶ心理的なトレーニング方法である。 一般的にイメージトレーニングは、複合的な動作を用いる競技に対して有効的であることが考えられているが、ある研究では最大筋力の増加にも有効であることが報告されている。   この研究では、以下のように3つのグループに分け4週間(週5日のトレーニング)にわたる左手小指の外転力を鍛えるトレーニングを行った。 コントラクション群:筋を収縮させる(最大筋力発揮) イメージング群:筋を収縮させずイメージトレーニングのみ コントロール群:なにもしない
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低強度(~30-50%1RM)でも高強度(~75-90%1RM)と同等に筋肥大する

  筋肥大を目的とした場合、現在のトレーニング科学では80%1RM(8〜12回)程度の強度で行うことが最適であるといわれている。 高強度の重量でトレーニングを行うことが筋肉を肥大させるためには必要であるという考え方が一般的であるが、果たしてその通りだろうか。   実際に、動作をゆっくり行うスロートレーニングや血流を制限して行う加圧トレーニングでは、軽重量を扱っているのにもかかわらず高強度で行った場合と同様に筋肉が肥大することが研究で認められている。    ...
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筋力トレ後の炭水化物摂取の重要性

  筋力トレーニングのようなきわめて強度の高い運動は、炭水化物が唯一のエネルギー供給源である。人間は、炭水化物を筋内にグリコーゲンとして貯蔵している。   ある研究では筋力トレーニングを6〜20セット行った場合、筋グリコーゲンレベルが30〜40%も減少したことを報告している。さらに、エネルギー不足が続いた状態になると、骨格筋はたんぱく質を分解してグルコースを新生しようと働く。つまり、筋肉量が減少してしまうのだ。   炭水化物を摂取することで、体脂肪が余分についてしまうのではないかと懸念する声があがるかもしれない。だが、安心してほしい。   トレーニング
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減量時:高たんぱく質食の重要性

  減量の理想は、可能な限り除脂肪体重(LBM)を維持しながら体脂肪量を減少させることである。1日のエネルギー収支がマイナスの状態で、LBMを出来るだけ維持するためには筋たんぱく合成の促進または分解を抑制するような計画的な食事を行う必要がある。先行研究では、エネルギー収支がマイナスの状態で、筋力トレーニング直後に30gのプロテインを摂取した群では、15gのプロテインを摂取した群よりも筋たんぱく合成が促進されたようだ。このように高タンパク質を摂取することは、減量時においてもLBMの維持に大きく貢献することが考えられる。   今回紹介させていただく論文は、エネルギー収支がマイ
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